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大正天皇  原 武史

みなさん、こんばんは。明日で今年も半年が過ぎたことになりますね。じゅぼんです。
今日は、土曜日にやっと読み終えた本をご紹介します。

大正天皇 (朝日文庫)

原 武史 / 朝日新聞出版



この本は、今現在の天皇の祖父にあたる「大正天皇」の幼少期から「昭和」になるまでを
描かれた「史実」です。
大正天皇が皇太子時代(つまり明治時代)~描かれております。

明治天皇までは、一夫多妻制でした。
明治天皇と正妻の間には子供がおりませんでした。
明治天皇の女官であった「柳原愛子(なるこ)」との間に生まれたのが「嘉仁(よしひと)さま」
後の、大正天皇です。
(「柳原愛子様」は「花子とアン」で「蓮子様」と言われていた「柳原白蓮」のおばです)

大正天皇は病弱で、精神的病に罹患しているのでは?等と、憶測が飛び交っており、
本当の姿は不明瞭でした。

よく考えると、大正天皇の息子である昭和天皇が実父の事を語る等と
そんなイメージや記憶はありません。

様々な憶測や噂で「大正天皇像」を世の中の人が作り上げてしまい、
本当のお姿を知る機会がありませんでした。

文字数は多く、古文や漢文を読んでいるような錯覚に陥るページもありましたが、
率直に「読んで良かった」と思いました。

病気がちで、勉学に励めず、協調性や詰め込みだけの勉学に反発を抱き、
天皇の子供に生まれたから「なぜ天皇にならなければいけないのか?」と思い悩んだり、
実に人間らしいというか、身近に感じる性質をお持ちの方だったように、お見受けします。

あの時代は、今のようにマスメディアも発達しておらず、皇太子がどのようなお姿で、
どのようなお方なのか、完全に情報不足の世の中でした。

皇太子20歳、節子様15歳で結婚。子供は男子を4人。結婚してから体調が良くなったそうです。
大正天皇は一夫一妻制を初めて採用した天皇です。
大変子煩悩で、仕事を終えて自宅に戻ると、子供たちと一緒に遊んだり、
奥様が演奏するピアノの伴奏に合わせて子供たちと一緒に歌を歌うこともあったそうです。

政治家たちに囲まれ、時に守られ、時に追いつめられ、最後には極度のストレスで脳疾患に
陥る大正天皇。

彼が勉強目的で、全国を巡り歩き、今でいう公務のようなことも、様々な逸話があったり、
彼を支える人々の見えない戦いがあったり、明治、大正、昭和と激動の時代背景が
宮家を通して見える(読める)ことも、新鮮でした。

最近、大河ドラマや朝の連続テレビ小説で「明治」「大正」「昭和」と近代を描かれることが多く、
元々その時代(歴史)が好きだった私は、図書館でこの本を見つけたと同時に手に取ってました。

職場用に借りましたが、昭和ヒトケタ生まれの利用者様も「知らないことがいっぱい」
「読んで良かった」等と、まさか88歳の米寿を迎える人と同じ本の話題で盛り上がれるとは、
大変貴重な体験をしました。

読むのには時間がかかりますが、興味がある方は宜しかったらどうぞ♪
by jyubon | 2015-06-29 22:44 | ほん