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陰日向に咲く  劇団ひとり

みなさん、こんばんは。今日は夜勤明けでした。やっとETCをつけました。
昨日旦那さんがパ○○○で5万程度儲けて下さり、支払いしてくれました。
更にユニクロで買い物して、それも買ってくれました。ありがとう、オット。

さて昨日の夜勤。睡魔に襲われる前に、2時間程度で読破した本をご紹介します。

陰日向に咲く

劇団ひとり / 幻冬舎



この本は、2006.1.25に発売されました。
ベストセラー本であり、同タイトルの映画の原作本でもあります。
劇団ひとりの処女作。原稿用紙307枚(400字詰め)の書き下ろし作品。

映画で話題になり、この本も話題になっていたのに、結局その流行に乗り遅れ、
今まで来てしまいました。

しかし先週ヒトカラする前に寄ったBOOK OFFで105円で売っていたので即買いでした。
きっと読み出したら一気に読みだと確信はしておりました。
でも昨日は平和な夜勤。1時間おきの巡視をしても、静かな夜勤。読書に持って来いでした。

読んだ感想。オムニバスで、各章で終わっているように思えて、各章繋がった話で。
読み終えてから、相関図にして頭の中を整理してしましました(笑)



映画は泣けるようですが、まだ見ていないので、比較出来ませんが、
読み終わった瞬間、鳥肌が立ちました。

ホームレスに憧れるサラリーマン。憧れられてるホームレス:モーゼ。
サラリーマンは週末ホームレス生活から、常時ホームレス生活へ移行する。
モーゼは有名野球選手の父として、その野球選手に拾われる。
が、拾われた後にモーゼは野球選手の父ではないと判明。しかし、時既に遅し。
モーゼは大ホラ吹きで有名だった。アメリカ兵を殴った話もきっとそうに違いない。

モーゼがいなくなったホームレス生活に寂しさを感じていたサラリーマン。
そんな時、サラリーマンが若年ホームレスと勘違いした、秋葉系男子。
秋葉系男子のおかげでサラリーマンはホームレスから完全に足を洗う。
そして秋葉系男子に何度かお礼をする。

秋葉系男子は、自分がホームレスに間違われている事を知りながら否定も出来ない。
そんな暇すらない。僕のアイドル:ミャーコへのプレゼント代がどんどん高額になり、
自分の生活を切り詰めていくうちに、ホームレスに近い生活を送っていたからだ。
でもそんな秋葉系男子も、最初から擬似恋愛をした訳ではない。
小学生の時に同級生に恋をした。Yちゃん。
そして大人になって再会したんだ。武田みやこ。そう、僕のアイドル:ミャーコがその人。
その瞬間から失恋していたけど、認めたくなかった。でも認められた。

20歳・女子・フリーター。将来の夢はカメラマン。そんな夢はでたらめ。
友人のミキにも言ったことがない。だから余計に不信がられた。
でも言ってしまった以上、カメラを買う。でもそのお金はパパのへそくりからいただいた。
だってパパ、昔から隠し場所変わってないんだもん。でも変わったことがあったと言えば、
会社に持って行く鞄に「みずぼらしい服」が入っていたこと。
つまり彼女の父は、ホームレスから足を洗ったサラリーマンだった。
彼女は、後に好意を寄せた男子と結ばれる。しかしその友人とも結ばれ、結果遊ばれた。
悔しくて反対の駅のホームにいた彼らをカメラで撮っていたら、駅員に止められた。
駅員室でワンワン泣いた。ミキに言ったら、相手の男子を殴ったみたい。

僕はギャンブラー。借金400万円以上。完全に借金の感覚が麻痺してしまっている。
そんな僕は駅員として働いている。でももう死ぬしかないと思って飛び込もうとした時、
「あんた死ぬんじゃないよ」と止められた。自分が死ぬって何で解ったんだ?と思ったが、
若い女性が飛び込むと思ったらしく、駅員の僕に止めるように言っただけだった。
僕の借金は膨らむ一方。オレオレ詐欺をたくらむ。そしてヒット。
でもその老婆の話し相手をしている毎日。中々詐欺に持ち込めない。でも持ち込んだ。
千葉県のとある駅に降りる。その人の家にいくと、その老婆は死んでいた。
老婆のヘルパーに「線香を上げていって下さい」と言われる。
そして「アメリカ兵を殴ったことのある」とか言う老人に「飲めや」と言われるがままに。
その老人は有名野球選手の活躍に一喜一憂していた。

鳴子(なるこ)。馬鹿な親に育てられた馬鹿な娘。
修学旅行の時に、浅草寺の近くのバスの駐車場でネタをしていた芸人が忘れられない。
私はあの人に恋をした。だから学校を卒業して、彼の名前も知らないのに、上京する。
そして浅草のストリップ劇場で雇ってもらうために懇願。
「ストリップ出来ない」でも雑用はするという条件。
でもオーナーは「飲み食いして寝る場所は確保してあげるけど、給料ナシだよ」と言われる。
でも鳴子はそれでよかった。その劇場の司会をしていた彼が、あの芸人の彼だったからだ。

オレはプードル雷太。芸人だ。ある日、警察にお世話になる羽目になった。
屋外で芸の稽古をしていたのだが、変質者に間違われたからだ。
その時に自分を拾ってくれたのはジュピターさん。ジュピターさんはストリッパーだ。
僕はあの日、ジュピターさんに恋をした。あの日からジュピターさんの虜。
だからジュピターさんの働く浅草のストリップ劇場に急遽働くことが決まって喜んだ。

そんなある日、鳴子が来る。僕と漫才がしたいと言う。
鳴子は僕のネタを全く採用しなかった。
鳴子が考えるネタで漫才をすると客は笑うが、僕は全く面白くなかった。
ネタに関してはいつも説教される。漫才をしてる鳴子は嫌いだ。普段の鳴子はおとなしいのに。
昔、浅草寺近くの駐車場で僕のネタを見てくれた学生さんに会いたいなぁ。

ある日ジュピターさんが病欠した。僕は一目散にお見舞いに行った。
そしたら意外にも元気そうなジュピターさん。そこにスティーブンと言うアメリカ兵が来る。
そいつはジュピターさんの彼だそうだ。そして二人は性交を始めた。
ジュピターさんが雷太に見て欲しいと言うのだ。僕は泣いた。泣いた。泣いた。
そしてキレイな白い肌にミミズ腫れが。スティーブンはムチでジュピターを叩く。
「このメスブタめ」と。そして雷太は「辞めろ」と言う。ジュピターは「違うの、雷太」
スティーブンはパニックになり、雷太のアゴにパンチを入れKO。

雷太を劇場に戻したのはジュピターさん。失恋をして、自分は決めた。
「オレ一人がいいんだ」と。鳴子も納得した。そして鳴子はこう言う。
「へへ。また会うよ。私、雷太のこと見つけるの上手なんだ」と。

木造二階建ての小さなアパート。「山村家」とある。駅員が来た家はここ。
そして老人は「飲みすぎた」と老婆の写真に向かって言う。
ヘルパーさんが来たと思い、姿も確認せずに老人は話す。
「ジュピターさんも大酒のみだったからな。もっと飲め。死ぬまで飲め。なんて言ってるかもな」
そういうとそこに立っていた人が若い女性でなく、喪服を着た老女だった。
「もしかして、あなたは…」「お久しぶりです」


「へへ。また会うよ。私、雷太のこと見つけるの上手なんだ」




ここまでの話が全貌。強烈にインパクトに残っているんです。細かく残像が残っているみたいな。
私最近読書にハマっていますが、細かく書ける文章と、そうでない文章の違いはそこだと思います。

この本を読んで速攻思ったのが「早くDVD見なきゃ」でした。
どんな風にこの物語を映像化しているのか。
映画も本もヒットしたから、期待していいのかな?って。

こんなオムニバスで引き込まれていく作品をまた劇団ひとりさんに書いてもらいたいです。
また読みますから。今度はちゃんと買いますね、新刊で(笑)ではこの辺で。
by jyubon | 2009-06-06 22:37 | ほん