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サヨナライツカ  辻仁成

みなさん、こんばんは。今日は休みのじゅぼんです。
ここ数日、寝る前に読んでいた本を先程読破。号泣してしまい、目が覚めたのでUPします。

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

辻 仁成 / 幻冬舎


この本は2002.7.25に発売された文庫本です。ハードカバーは2001.1月に発売されています。
来年公開予定の映画の原作本です。主演は奥さんでもある中山美穂さんが演じられます。

文庫本の裏に載っている“あらすじ”には以下のような文章が綴ってあります。
「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる。
私はきっと愛したことを思い出す。」
〝好青年〟とよばれる豊かは結婚を控えるなか、謎の美女:沓子(とうこ)と出逢う。
そこから始まる激しくくるおしい性愛の日々。
二人は別れを選択するが二十五年後の再会で…。愛に生きるすべての人に捧げる渾身の長編小説。




物語の最初にこの本のタイトルでもある「サヨナライツカ」と言う詩から始まります。
これは主人公:豊の許婚、後に妻となる光子が許婚時分に豊に送った詩です。
この「サヨナライツカ」と言う詩がこの物語の軸になっているようにも感じます。
(以下赤い斜め太文字の部分が「サヨナライツカ」の詩です)


サヨナライツカ

いつも人はサヨナラを用意して生きていかなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛におびえる前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ

サヨナライツカ

永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチハがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す



物語を簡潔に説明するなら、
「光子との結婚が控えている豊が、出逢ってしまった沓子との短く深い4ヶ月の期間の恋愛を
心の中に持ち続け、還暦になるまでを描いた作品です。」とでも言いましょうか。
でも豊だけでなく、沓子も同じように同じ時間生きてきた話でもあります。

第1章は1975年の話。つまり豊も沓子が30代、光子は20代のお嬢様。
第2章は、第1章の25年後の話。つまり2000年。そして2005年までの話が描かれています。
2005年に豊は60歳の還暦を迎えているので、第1章の1975年に30歳だった計算になります。

この本を読み進めてみて、第2章の途中から涙が流れていました。最後には号泣。
切なくて苦しくて、でも輝かしい4ヶ月の期間を共有して生きられる喜び。
辛い恋を経験した人には響く内容だと思います。
ただ、レビューを読むと、結構酷評が多かったですが、私は好評価です。☆×4つかな?
久々に本を読みながら号泣したので…。

映画化にあたり、ミポリンが主演で話題を呼んでいるのは、性愛のシーンがかなり激しいからだと思います。
そのシーンで全てをさらけ出しているのか、物議を醸し出してるのだと思います。
来年公開。それまでに色々わかってくるでしょうから、のんびり待ちたいと思います。

何気にこの本、105円。しかもクーポン券で実質5円で買いました。BOOk OFF恐るべし。
また掘り出してみようっと。発掘好きですしね(笑)色んな意味で。

では今回はこの辺で。取り留めのない内容で申し訳ございませんでした。
by jyubon | 2009-06-02 01:32 | ほん